過失割合とは
過失割合とは、交通事故が発生した原因が、交通事故の当事者のどちら側にどの程度あるのかを示す数値のことをいいます。
例えば、追突の事案では追突された側と追突した側の過失割合は0:100ですが、追突された側が理由なく急ブレーキをかけたために追突した場合の過失割合は30:70とされています。
過失割合はどのように決まるのか
過失割合は、過去の裁判例等を基に過失割合についてまとめた書籍が実務上の参考にされています(東京地裁民事交通訴訟研究会編「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」別冊判例タイムズ第38号)。
この書籍は、交通事故の当事者(歩行者、単車、四輪車)や、交通事故の現場(交差点、高速道路)といった条件によって交通事故の態様を整理していて、その交通事故の態様の基本的な過失割合を定めた上で、過失割合を増減させる修正要素も細かく定めています。
そのため、過失割合を決める際には、
- 今回の交通事故が具体的にどのような態様だったか
例えば… 進路変更か追突かが争われることがあります。 - 基本的な過失割合を修正すべき事実関係があるか
例えば… 速度違反や徐行なし、合図なし等です。
が重要になります。
過失割合はどのようにして争うのか
過失割合に争いがあるということは、前提となる交通事故の態様や、過失割合を修正すべき事実の有無に争いがあるということです。
そのため、まずは依頼者の方から、交通事故の態様と過失割合を修正すべき事実について、当時の状況を詳しく教えていただくことになります。
また、交通事故の場合は、事故直後に警察を呼んで事故状況の確認(実況見分)等をしていることが多いので、捜査機関から実況見分に関する証拠(実況見分調書等)を取り寄せて、当時の双方の主張や、警察が確認したブレーキ痕の有無等の客観的な形跡を確認することも重要になってきます。
その上で、やはり現場を確認することが何より重要だと考えています。
現場を確認することで、依頼者の方が主張する内容の正しさ、相手方が主張する内容の矛盾などが浮き彫りになることが多いからです。
そして、必要に応じて、専門家に依頼者の方の主張の内容の正しさを裏づける鑑定書を作成してもらうこともあります。
鑑定書の作成には費用がかかりますが、過失割合次第では請求できる損害額が大きく異なりますし、それだけの価値がある場合や、依頼者の方の保険会社から費用が出る場合には作成するようにしています。
- 過失割合に納得できない場合、事故状況の確認や実況見分調書など
客観的な形跡を確認することが重要です。 - 現場を確認することで相手の主張や内容の矛盾を浮き彫りにします。
- 必要に応じて専門家に鑑定書を作成してもらう場合があります。