
交通事故に遭われた直後の被害者の方へ
交通事故に遭われた直後の被害者の方からは、「治療に専念したいけれども、初めてのことなので、今後どうなっていくか不安である。」との相談を受けることがよくあります。
早期に相談をしていただき、今後どのように手続が進んで行くのかを説明させていただけると、不安がなくなって治療に専念することができることもありますし、ご遠慮なく相談いただければと思います。
ここでは、治療を受けて行く上でのポイントを少しだけご紹介させていただきます。
- 治療の経過で症状が良くなったと感じていても
残っている症状や痛みはしっかり伝えましょう。 - 整骨院に通院を希望する場合は注意が必要です。
主治医に痛みをしっかりと伝えること

入通院の際にあなたの治療を担当している医師がその都度記録するカルテは、その後の加害者との交渉や裁判でも重要な証拠として取り扱われます。
ただ、あなたの担当医は、当然ながらあなたの病気や怪我を完治させたいという一心で治療を頑張ってくれています。
また、あなた自身も、交通事故によって生じた怪我や病気を治して元の生活を取り戻したいという気持ちが強いのではないかと思います。
そのため、あなたは症状が良くなると喜んで担当医に報告することが多く、担当医も治療がうまく行っていることを喜んでカルテに記載することが多いように感じます。
このこと自体全く悪いことではないのですが、痛いところは痛いと伝えることも非常に重要だということに注意していただきたいと思います。
治療を頑張っている担当医に遠慮するなどして、痛みが残っていることを伝えていなかったり、伝えていても特に問題ないかのように伝えてしまっていると、後でやはり痛かったことを主張しようとしても、カルテの記載と矛盾するので信用できないとか、交通事故とは関係ない痛みである等といった反論をされることになりかねません。
あなたの担当医も、あなたが感じている本当の痛みを伝えてくれなければ、適切な治療をすることができないはずです。
ですので、担当医に遠慮することなく、あなたが感じている痛みをしっかりと伝えるようにしてください。
整骨院に通院される方は要注意

交通事故に遭った被害者の方の中には、マッサージ等を受けると痛みが和らぐことから整骨院に通院することを希望される方がいらっしゃいます。
けれども、整骨院での施術については、その施術を行うことについて医師の具体的な指示があり、かつ、その施術対象となった負傷部位について医師による症状管理がなされている場合でない限り、当然には施術費用を加害者に負担させることができないとする裁判例が存在します(福岡地判平成26年12月19日)。
ですので、整骨院への通院を希望される場合には、あなたの治療を担当する医師から、整骨院を紹介してもらった上で、適宜病院にも通院して整骨院での治療経過も診てもらうなどの対応を取っておくことが重要になってきます。
そのような対応をすることなく整骨院への通院を続けていると、後で損害賠償の金額について加害者と揉めた際に、整骨院に関連する損害賠償の請求をすることができなくなる可能性があるのでご注意ください。