遷延性意識障害(植物状態)

遷延性意識障害(植物状態)とは

日本脳神経外科学会によると、

  • 自力移動が不可能である。
  • 自力接触が不可能である。
  • 糞・尿失禁がある。
  • 声を出しても意味のある発語が全く不可能である。
  • 簡単な命令には辛うじて応じることもできるが、ほとんど意思疎通は不可能である。
  • 眼球は動いていても認識することは出来ない。

という6項目が、治療にも拘わらず3か月以上続いた場合を植物状態とみなすとされています。

遷延性意識障害になると、長期にわたる介護や自宅の改造が必要になったり、金銭的な負担が大きくなります。また、被害者のご家族等の介護者には大変な手間暇がかかり、介護者の負担も大きくなります。

成年後見人の選任

交通事故で被害者の方が遷延性意識障害となった場合、被害者の方には行為能力がなくなる為、被害者の方自らが示談交渉等を行うことはできません(なお、被害者が未成年者の場合には、親権者が示談交渉を行うことができます)。
この場合、裁判所を通して成年後見人の選任が必要となります。

損害賠償について

損害賠償について

遷延性意識障害の方は、入院先の病院で受傷から1年程度で症状固定となり、後遺障害の認定を受けて賠償請求することになります。

この場合、将来的に自宅介護か施設介護のいずれかを選択することになりますが、どちらを選択するかにより、賠償額にも大きな差が生じることになります。つまり、自宅介護の場合には自宅での介護料や住宅改造費等により賠償額が高額に上ります。そこで、加害者側からは賠償額を低額に抑えたいという意図から、施設介護を前提にすべきとの主張がなされる場合もあります。そのような場合には、在宅介護の必要性・蓋然性を丁寧に主張・立証する必要があります。

また、遷延性意識障害による賠償は一括して支払われることが多いのですが、将来の生活費や医療費については定期金賠償(定期的な分割払いによる賠償)という支払い方法にすることがあります。定期金賠償での支払いは、「遷延性意識障害の患者が生存している間に限られる」とする場合が多く、早期に被害者(患者)が亡くなると、賠償額が一括払いのときより低額になる可能性があります。また、保険会社が経営破綻した場合には定期金賠償の支払いも不履行になるというリスクがあります。

もっとも、平均余命を超えて生存された場合には、一括払いの場合とは異なり中間利息控除計算をしないので、定期金賠償の方が賠償額が高額になります。また、一括払いの場合に、親族等が賠償金の適切な管理ができないことが想定されるような場合には、定期金賠償の支払いの方が被害者にとってはメリットがあるともいえます。

そこで、一括払い、定期金賠償による支払いのいずれにするかはケースバイケースで諸事情に応じて決定する必要があります。

交通事故の被害に遭われた方、ご相談ください。
このようなことでお悩みの方はすぐにご相談ください。
  • 保険会社の提示金額・言い分に納得がいかない。
  • 適切な後遺障害認定のサポートをして欲しい。
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